"AIが候補者に自社を紹介する時代"の採用ブランディング
「この会社ってどう?」「自分に合いそうな企業はある?」
SNSを見ていると、転職活動中の人や就活生がAIにこのような質問をしている投稿をよく見かけます。
自分自身も、競合リサーチをするときはAIに頼ることが多いです。
企業研究や比較にAIを使うのは、もはや自然な流れだなと感じます。
では、採用する側はこの変化にどう向き合えばいいのか。
今日はそんな話をしたいと思います。
AIは、整理されていない情報を正しく伝えられない
私自身が競合リサーチをAIに頼んだ際、調査結果を見ても「結局何をやってる会社なんだろう?」と感じる、要領を得ない回答が返ってくることがあります。
こういうとき、たいていはその会社のサイトや発信情報がバラバラになっています。
トップページで言っていることと、サービスページの説明がなぜか噛み合わない。プレスリリースと採用ページで推しているポイントが違う。
人間が見るのであれば、「まあ、こういうことだろうな」と察して補うことができます。
でもAIはそうしてくれません。複数のソースを横断して読み、矛盾や空白があれば「情報が不明瞭」と判断するだけです。
AIに候補者へ自社を紹介してもらおうと思ったら、まず自社の情報そのものが整っている必要がある。
当たり前といえば当たり前ですが、ここが意外とできていない会社が多いと感じます。
「自社の魅力」が、そもそも見えていない会社は多い
採用支援の現場にいると、「自社の魅力が整理できていない会社」にかなり高い確率で出会います。よくあるパターンを3つ挙げてみます。
①自社を客観視できていない
「御社の魅力はなんですか?」と聞くと、経営者・現場・人事でそれぞれ違う答えが返ってくる。どれも嘘ではないのですが、社内で軸が揃っていないまま外に発信してしまっている。
候補者からすると「結局、ここで働くメリットってなんなんだろう?」となります。
②一般的なポイントばかりで「らしさ」が伝わらない
「風通しがいい」「成長できる」「チームワークを大切にしている」。どれも、どの会社の採用ページにも書いてあるような言葉です。
書いてあること自体は事実なのでしょうが、この会社ならではの「らしさ」が一切伝わってきません。
③媒体ごとに魅力の主張が違う
これが一番多いかもしれません。自社サイト、求人媒体、エージェントに渡している求人票、スカウトメール。それぞれで強調しているポイントが違う。
「うちの魅力はこれ!」という軸がないので、担当者が媒体ごとに、その場で考えて書いている状態です。
候補者はこれらを全部横断で見ています。AIはもっと横断的に見ます。
そこで一貫性がなければ、「この会社、どこを信じればいいの?」という不信感につながってしまうのです。
採用にも求められる「GEO」
最近、「GEO(Generative Engine Optimization)」という言葉をよく聞くようになりました。
SEOが「検索エンジンに最適化する」技術だったのに対し、GEOは「AIに正しくブランド情報を認識させる」技術です。
背景にあるのはシンプルな事実で、Googleで検索する代わりにAIに聞く人が増えている、ということです。
そのため、「AIに自社の情報を正しく拾ってもらえるかどうか」が新しい勝負所になっています。
採用ブランディングも同じ波の中にあると思っています。候補者がChatGPTやClaudeに「この会社どう?」と聞いて返ってくる答えが、もう一つの企業イメージとして機能し始めている。
採用ページに何を書くかと同じくらい、AIが自社をどう紹介してくれるかが効いてくる時代です。
「求める人物像」と「自社は何者か」は、別の言語化
以前、「求める人物像は、言葉にしてみると意外とぼんやりしている」という記事を書きました。採用をするなら、誰を採りたいかを解像度高く言語化する必要がある、という話です。
今回書いているのは、それとはまた別のレイヤーの話です。
「誰を採りたいか」は、内向きの整理。社内の認識を揃えて、面接で誰を選ぶかの基準を作ること。
「自社は何者か」は、外向きの翻訳。自社の魅力やらしさを、候補者に届く言葉に変える作業です。
この両方が揃ってこそ、採用は機能します。片方だけでは足りません。
特にAIが候補者と企業の間に入り始めた今、外向きの翻訳の精度は採用力に直結するようになってきました。
整えるのは、発信の前の段階
AIに候補者へ自社を正しく紹介してもらうためには、まず自社の情報を整えること。
情報を整えるためには、自社の魅力やらしさを言語化して、社内で一貫した言葉や認識を持つこと。
つまり、発信する前にやっておくべきことがある、ということです。
整えてから、発信する。整えてから、AIに任せる。
AIが候補者と企業の間に入る時代、まず問われるのは自社自身の解像度かもしれません。
MMOLでは、この発信の前段の整理・言語化・翻訳を、採用実務の視点から支援しています。
経営者・現場・人事のヒアリングや活躍社員のインタビュー、ワークショップなどで自社の魅力を掘り起こし、求人票・スカウト文面・採用ページといった媒体ごとのアウトプットに落とし込んでいく。
作って終わりではなく、応募動機や面接の反応を見ながら、どの言葉が届いているかを検証していくことも可能です。
支援の形は、求人票改善のピンポイント対応から集中支援まで、状況に合わせて柔軟に対応できますので、お気軽にご相談ください!