管理部門が忙しくなってくると、「そろそろ人を増やした方がいいのでは」という話が出ることがあります。
担当者の残業が増えている。
仕事を抱え込んでいる人がいる。
新しい業務まで手が回らない。
そうした状況を見れば、人を一人増やそうと考えるのは自然です。
実際、人手を増やすことが必要なこともあります。
ただ、採用を始める前に一度確認しておきたいことがあります。
いま起きている問題は、本当に「人の数が足りないこと」が原因なのでしょうか。
「忙しい」「業務が回っていない」という結果は同じでも、その背景は会社によって違います。
そして、その違いを見ないまま採用を始めると、そもそも「どんな人を採るべきか」も決めにくくなります。
「人が足りない」の中身
人が足りないと感じたとき、まず確認したいのは、実際にどんな仕事が行われているかです。
処理しなければならない量そのものが増えているのか。
同じ情報を複数の場所へ入力したり、何度も確認したりすることで時間がかかっているのか。
一部の人しか判断できないことが多く、そこで仕事が止まっているのか。
あるいは、会社の成長によって、これまでになかった仕事や役割が必要になっているのか。
同じ「忙しい」でも、起きていることは違います。
たとえば、転記や定型的な確認に多くの時間を使っているなら、仕事の進め方を変えることで負担を減らせるかもしれません。
一方で、業務を整理しても処理量そのものが多いなら、人を増やす必要があるかもしれません。
この段階で大切なのは、採用するかどうかをすぐに決めることではありません。
まず、何が今の負担を生んでいるのかを見ていくことです。
採用要件はどこから決まるのか
業務を見る意味は、採用が必要かどうかを判断することだけではありません。
採用が必要だと分かった場合にも、何を解決したいのかによって、必要な人は変わります。
単純に処理量が増えているのであれば、日々の実務を安定して進められる人が必要かもしれません。
仕事の進め方そのものを見直したいのであれば、業務改善の経験を持つ人が合うこともあります。
経理や労務などで社内にない専門性が必要なのであれば、その領域の知識や経験が採用要件になります。
新しい業務を立ち上げたいのであれば、既存業務を引き継ぐ人とは、求める経験も役割も違います。
「管理部門が忙しいから、一人採用したい」
というところだけから考えると、こうした違いが見えにくくなります。
人数としては一人でも、その人に何を任せたいのかによって、探すべき人材は変わります。
求人票を書くときになって初めて「どんな経験が必要だろう」と考えるのではなく、その前に実際の業務を見る。
その順番の方が、必要な役割や経験も見えやすくなります。
原因を見ないまま採用すると、仕事が増えることもある
採用すれば、仕事を担える人は増えます。
ただ、新しい人が入れば、その日から既存社員と同じように仕事を進められるとは限りません。
業務を覚えてもらう期間が必要です。
説明する人も必要です。質問への対応や、進め方の確認も発生します。
それ自体は、採用に必要なプロセスです。
ただ、「何を任せるために採用したのか」が曖昧なままだと、教育する側も何をどこまで教えるのか決めにくくなります。
入社後に任せる仕事が変わったり、現場が期待していたことと本人の経験が合わなかったりする可能性もあります。
人を増やせば、一時的に現場の「手」は増えます。
一方で、仕事の進め方に課題が残っていれば、新しく入った人もそのやり方の中で働くことになります。
採用そのものが問題なのではありません。
何を解決するための採用なのかが決まっていないことが、後から負担になりやすいのだと思います。
仕組みだけでは解決できないこと
業務を見直せば、人を採らなくていいというわけでもありません。
仕事の進め方を見直しても、処理しなければならない量が多ければ人手は必要です。
社内にない専門知識が必要になることもあります。
会社の成長に合わせて、新しい役割そのものをつくる必要が出てくることもあります。
そうしたときは、人を採ることに意味があります。
何を解決するための採用なのか
管理部門が回らなくなったとき、「一人増やそう」と考えること自体は間違いではありません。
ただ、その一人に何をしてほしいのかは、人数だけを見ても決まりません。
いまの業務を見て、何を変える必要があるのかを整理する。
そこではじめて、人を増やすのか、仕組みを変えるのか、その両方なのかが見えてきます。
採用も仕組み化も、最初に決める答えではなく、課題を整理したあとに選ぶ手段です。
「そろそろ一人増やしたい」と感じたときこそ、採用を始める前に、まずその人に何を任せたいのかまで考えてみる。
そのためには、今ある仕事を見るところから始める必要があります。
人を増やす前に、今の業務を整理する
MMOLでは、実際の業務を棚卸ししながら、どこに負担や属人化が生まれているのかを整理する支援をしています。
業務を見ていくと、仕組みやAIで軽くできる部分だけでなく、人を増やす必要がある部分も見えてきます。
その場合にどんな経験を持つ人が必要なのかも、具体的になります。
「一人採用したい」と考え始めたものの、どんな役割を任せるべきかまだ整理できていない。
そんな段階からでも、一緒に業務を見直すことができますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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